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2. 全体システム構成
「TCP−2」に接続される各観測システムは東経128°15’、北緯25°30’付近で、深度約4200mの海底が予定されている。「TCP−2」には臨時観測システムのほかに、多目的地球観測のために海底設置用地震計・海底火山活動監視システム・ハイドロフォン・地殻変動観測・プレートの移動観測システムなどの複数の固定観測システムも設置される予定である。
具体的には、Fig.2に示すように各観測システムは「TCP−2」にデータ伝送中継器を介して接続され、観測データの伝送と所要電力および陸上からの各種制御コマンドを受けることによりその機能を果たす。臨時観測システムは、基幹部がデータ伝送中継器と固定的に接続され、敷設自由度の大きな移動体との間は、音響通信によってデータ・コマンドの送受を行う。

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Fig.2 Schematic plan of the connection between data transmission repeater and extraordinary observation system

3. システムの基本的機能
3.1基本機能と構成
臨時観測システムは、その設置環境が陸から遠く離れた海域である。従って基幹部、移動体共に保守、修理の頻度を極力減らし、しかも高い信頼性が要求される。この要求に応えるために、
・移動体に接続されたセンサの自己校正機能
・システムの異常診断機能
・システムの自己復帰機能
のようなインテリジェントな機能が必要である。さらに観測データに付随して、正確な計測時刻を得るために音響通信を用いる時間遅れの補正や、センサ側の時計の誤差の修正を行う機能も不可欠となる。これらから、臨時観測システムは
(1)データ伝送用音響モデム
(2)異常診断、自己復帰、時刻校正用コンピュータ
(3)電源装置
(4)外部インターフェイス
から構成される。Table1に構成要素の仕様を、Fig.3にブロック図を示す。

Table 1 Specification of the components for the extraordinary observation

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